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触れる心地よさ

生まれたばかりの赤ちゃんを胸元に寝かせるカンガルーケア、赤ちゃんの体温の保持や呼吸や循環を安定させるともいわれ、母と子の早期の絆形成にも役立つといわれています。



認知症の方やターミナル(終末期)の方に効果があるといわれている緩和ケア「タクティールケア」、スウェーデン発祥で、介護者や看護者が、相手の背中や手に優しく触れることにより、痛みを緩和したり、精神に安らぎを与える事が出来るとされています。



フランス発祥の「ユマニチュードケア」、こちらも4つの柱を中心とした認知症の方へのアプローチですが、その一つに「触れる」が入っていて、これらの総合的ケアにより認知症の方の周辺症状を穏やかにできます。

 

お腹が痛かったり、足が痛かったり、どこか身体に痛みがある時に、直接患部をさすったり、手を握ってもらったり、そんな風に一度ぐらいは日常生活の中で「手当て」の経験があるんじゃないかなと思います。



痛みに苦しんでいたり、または悲しくて落ち込んでいる時にも、誰かが自分の痛みに寄り添い、背中をさすったり、手を握ったり、肩を抱き寄せたり、そんな身体を通したコミュニケーションが、痛みを緩和させたり、心を慰めてくれたりと、言葉以上の効果を実感できたと思います。


 

触れるという事の効果や心地よさは、今でこそ触れることにより、オキシトシンという幸せホルモンが分泌されるという事が科学的に証明されていますが、科学が証明する前から、本能的に心のどこかで安心や安らぎを、相手に与えることが出来る事がわかっていて、自然になんとなくやっている動作の一つでした。


 

また皮膚は「第二の脳」と呼ばれ、受精卵が外胚葉、中胚葉、内胚葉と分かれていき、いろいろな器官に分かれていきますが、皮膚は脳と同じ外胚葉からできていきます。皮膚は情報処理器官として優れていて、皮膚への刺激は脳にダイレクトに伝わります。


 

コロナが流行りだしてから、私たちの生活様式は大きく変わりました。ソーシャルディスタンスや、リモート会議、集団での会食を控えたり、食事中でも会話は控えめに・・・などなど。またステイホームなど、自宅で過ごす方も多くなったのではないかと思います。人との距離ができ、人間関係も少し希薄になったと感じている方も沢山いると思います。


 

また、子育て中のママさんは子供と自宅に引きこもり、多くの方がストレスを感じているように思えます。コロナうつなど、様々な精神不安症状を訴える方も多いと思います。


 

そこでおすすめしたいのがトリートメント(マッサージ)です。特にアロマトリートメントには、自律神経を整え、免疫力を上げ、心を落ち着かせてくれる作用があることがわかっています。



香りや精油の成分は勿論の事、タッチングといって「触れる」という事が心や身体に、良い影響を与えてくれます。オイルを使って、優しく肌にトリートメントを施すことにより、心地よく自分自身を感じる事ができ、心の充足感を得ることが出来ます。